パン屋さんめぐりの会という日本最大級のパン好きコミュニティを運営しているパンマニアの片山智香子です。
関東で生まれ育った私がニシカワ食品と聞いてパッと思いつくのは、VIRON。
私がパン好きなったきっかけはパリで食べたパンの美味しさに衝撃を受けたからなのですが、東京・渋谷にVIRONがオープン。フランスの粉を仕入れてパリさながらのバゲットを日本で食べることが出来るということに感動したことを今でも覚えています。
日本はもとより海外のパン屋さんもめぐり、たくさんのパンを食べてきた私。
そんな中でもVIRONのバゲットレトロドールは不動の一位。大好きなVIRON、実は兵庫県のニシカワ食品が母体であることをコミュニティを運営し始めてから知りました。
戦後、極貧の日本で「小さくても美味しいパン」を標榜し、1947年に加古川駅前に開業したということで今年で創業70年とのこと。心からお祝い申し上げます。
昔ながらの味を大事にしつつ、さらなる進化をとげながらの70年、本当に素晴らしいです。そのような節目の年にコラムを書かせていいただけること、パンマニアとしてこれほど嬉しいことはありません。
昨今、レトロパン、地元パンが流行り、昔ながらの味を大事にしているパンに注目が浴びております。
調理パンから、食事パン、菓子パンとニシカワ食品の幅広いラインナップ、三代目パニーちゃんのロゴ入りの袋につめられたこれらのパンは見た目から懐かしさを感じるだけでなく、優しい甘みのある生地に厳選された材料と配合を感じます。
もちろん、流行りのパンも大好きな私ですが、昔からあるパンの飽きのこない安心感は大きく、いまだにチョココルネなどは大好きなパンの一つ。
また、札幌の新千歳空港で行列ができるほど人気だった「びえいのコーンぱん」もニシカワ食品の商品だということを旅行から帰ってきてから知りました。その時は予定がつまっており購入することはできなかったのですが、北海道美瑛町で22万坪の農場でジャージー牛を放牧する「美瑛放牧酪農場」を開設しストレスの少ない環境で育った牛から、自家製の酪農製品をつくり、自社農場でも小麦を生産しているそうで、あぁ、そんなにこだわりのパンならば並んででも買ってくるべきだったと後悔したことは言うまでもありません。
さて、そんな昔からの味を大事にしつつ新しいことにも挑戦しているニシカワ食品が新ブランドを立ち上げたとのこと。その名も「たくみにしかわ」。
放牧酪農場と併設の食品加工場による「生乳」や「バター」そして厳選された素材を結集して作られるバターラスクは、サクッ、ホロッと口の中で溶け上品な甘みがあり香ばしい小麦の香りが良いアクセントに。
ラスク専用に開発された牛乳仕込みのフランスパンを使用しているからこその優しい甘みなのだなと納得。
個包装され箱詰めされているので、手土産に喜ばれそうな一品。今後もさらなる進化をとげるニシカワ食品から目が離せません。